小説「レモンと殺人鬼」感想・あらすじ ~見えていた景色が最後に入れ替わる~
2026-09-17
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【この記事で触れていること】
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・物語のあらすじ(ネタバレなし)
・終盤の展開と読後感
・立ち上がってくる登場人物たち
・どんでん返しが好きな方におすすめしたい理由
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【本の基本情報】
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タイトル:レモンと殺人鬼
著者 :くわがきあゆ
出版社 :宝島社
ジャンル:ミステリー・サスペンス
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【あらすじ】
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妹が、遺体で発見されました。
けれど世間が彼女に向けたのは、同情ではありませんでした。
妹こそが加害者ではないか。
そんな疑いの目が注がれます。
姉は、その見方をどうしても受け入れられませんでした。
妹はそんなことをする人ではない。
ただそれだけを信じて、真相を追い始めます。
けれど調べれば調べるほど、知っていたはずの妹の輪郭がぼやけていきます。
さらに姉には、過去に抱えているものがありました。
かつて家族に起きた出来事が、静かに影を落としています。
二つの事件は、どこかでつながっているのか。
味方だと思っていた人、敵だと思っていた人。
読み進めるほど、その立ち位置まで少しずつ揺らぎ始めます。
※詳細はぜひ実際に読んでお確かめください。
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【読んでみた感想】
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■ 誰の言葉を信じればいいのかわからないまま進んでいく
読み始めてすぐ、落ち着かない気持ちになりました。
登場人物の誰もが、どこか信用しきれないのです。
親切に見える人の言葉が、ふと不自然に響く瞬間があります。
逆に、感じの悪い相手のほうが、なぜか正直に見えてくることもあります。
「この人は信じていい」と思ったところで、また別の違和感が顔を出す。
読み進めるたびに、自分の中にあった人物像が少しずつ揺らいでいきました。
その居心地の悪さが、この作品を読む手を引っ張っていきます。
■ 一人ひとりがきちんと立ち上がってくる
物語を追いながら印象に残ったのは、登場人物の存在感でした。
脇に見える人物にも、それぞれの事情があり、そこにはその人なりの時間があります。
だからこそ、ある場面で見せる言葉や行動に驚かされました。
嫌な人だと思っていた相手の見え方が、ふと変わる。
その瞬間、それまで見ていた景色まで少し違って見えてきます。
誰かを一つの印象だけで捉えられないところに、この物語の面白さがありました。
■ 終盤、見えていた景色が少しずつ崩れていく
中盤までは、ひとつずつ手がかりを追いながら進んでいく物語です。
けれど終盤に入ると、これまで積み上げてきたものの見え方が変わり始めます。
一つ驚いたと思ったら、その先にまた別の揺らぎが待っている。
「そういうことだったのか」と思った直後に、また見えていたものが変わっていきます。
気づけば、時間を忘れて物語の先を追っていました。
そして最後の数十ページ。
そこで見えていた景色が、まるごと入れ替わります。
読み終えた瞬間まで、自分がどこを見ていたのかわからなくなるような感覚でした。
■ 読み終えた瞬間、もう一度最初に戻りたくなる
本を閉じたあと、真っ先に思ったのは「もう一度読みたい」でした。
一周目では通り過ぎていた場面も、結末を知ったあとなら、違う意味を持って見えてきます。
「あの場面は、そういうことだったのか」
そんなふうに、同じ文章が別の顔を見せてくれそうです。
最後まで読んだからこそ、最初のページに戻って確かめたくなる。
そんな仕掛けの巧さを感じました。
そして読み終えたあとも、その先を生きていく人たちのことが少し気にかかります。
あれだけの時間を越えたあと、これからどんな日々が続いていくのだろう。
そんなことを、ふと考えながら本を閉じました。
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【こんな人におすすめ】
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・どんでん返しのあるミステリーが好きな方
・終盤で一気に物語が動く作品を読みたい方
・読み終えてすぐ、最初から読み返したくなる本を探している方
・人物の見え方が変わっていく展開が好きな方
・一気に物語へ入り込める作品を読みたい方
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【まとめ】
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最後まで読み終えて、ようやく見えていた景色の形が変わりました。
信じていたものが少しずつ姿を変えていき、
最後には、それまで見ていたものまで違って見えてきます。
怖さの残る展開でありながら、
読み終えたあとに残ったのは、もう一度最初から確かめたいという気持ちでした。
ページをめくり直せば、きっと一度目とは違う景色が見えてくる。
そんな静かな余韻を残してくれる一冊でした。


